何回塗りが最適?多ければ強い?塗膜の話

 

お客様から相見積もりで呼んでいただいた際、こんな質問がありました。

ほかの塗装屋さんで、必ずうちは下塗りで二回塗ると言われたけどその方が強くなるの?

リンケージアートさんの提案は下塗り一回で充分なの?

僕の答えは、

塗膜は厚ければ強くなる訳ではありません。

お住まいの状態をみて判断し適宜調節しています。

イメージ的に、塗膜の厚みがあった方が守られている感覚を持ったり

回数が多くて手を掛けた方が良い仕事をしてもらった!と感じがちですが

経験上・理論上必ずしもそうでないと僕は考えます。

塗料は、各塗料メーカーが綿密な実験やデータから最大限の性能パフォーマンスが引き出されるよう計算され工程の順番や処置(何回塗りか、など)など細かく指示されています。

各セミナーに参加すると、日本の塗料メーカーさんの類稀なる努力や綿密な研究で昨今の塗料が生まれている事を実感します。

塗りの説明を簡単にすると↓↓↓

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下塗りの意味/多くは素地と中塗り・上塗り材の接着剤としての役割。塗料の過剰な吸い込みを抑える

中塗りの意味/上塗り材の下地

上塗りの意味/仕上げ

接着剤をたくさん塗るほど密着が良くなる訳ではないということは

工作をしたことのある方なら感覚的に分かって頂けると思います。

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メーカーの規定通りの回数を守ることで、

①提示されている耐用年数が期待できる

②遮熱効果・防汚・防さび・防火などの効果が最大限得られる

 

必要以上の厚塗りでの危険性は

①剥がれ・割れの原因

②塗料本来の性能が発揮できない

③”多く塗る”というワードで信頼を得ようとする、料金上乗せの可能性

 

傷みが著しく塗料を吸収して塗膜形成が難しいお住まいのような場合には、

状態を写真に撮りきちんとご説明をして

素地を強化できるタイプの塗料のご提案や下地調整のご相談をいたしますが

すべてのお住まいの塗り替えに必ず下塗りを二回入れるというようなことはしません。

一律にしてしまえばお見積もりも楽で、作業が増え利益も高いかもしれません。

ですが、大切なことは

お住まいごとに本当に必要な作業や工程を考え、余分な作業は省き最適な選択肢をご提案する。

塗膜だけではなく、お住まいの環境に合ったシーリング材は?雨樋の勾配は保たれているか?緩みはないか、詰まりはないか?付帯物の破損はないか?

この先雨漏りの原因になるような箇所はないか?・・・

目を皿のように観察して、手で触り、確認してお客様のお住まいと向き合う。

”良い仕事をする”というポーズではなく、これが僕たちができるお客様への最大の誠意だと考えています。

塗りの回数に関してだけではなく、

高圧洗浄のタイミングや、シーリング材、シリコン以上のランクでないといけない等

様々な考えを持つ業者さんがおられるようです。

もし、相見積もりで分からないことや疑問がございましたら何なりとお申し付けください。

塗装屋の都合でのご提案ではなく、お客様のライフスタイルや長期的な計画に合わせ最善の選択肢を一緒にじっくりと考えます。

このような小さな店を見つけ・選んでくださる大切なお客様へ感謝を還元できるよう

信頼できる場所での最新の学びを吸収して成長していけたらと思います。

 

2024年3月3日